最近の調査


 

八雲演習林におけるUAVを用いた森林情報の取得に関する調査・研究(2018年度調査)

 

  当研究室では、近年注目を集めているUAV(ドローン)を導入して森林・林業への活用の可能性について検討課題として取り組んでいる。現在では、以下の2点について調査・解析を実施している。

  

①森林資源量の推定に際して、輪尺、バーテックス等を用いて樹高や胸高直径を計測する従来の方法は、人手と時間を要している。また、森林作業において作業道の測量や造林地の周囲の測量は必須であるが、その測量には多大な時間・経費・労力が生じる。そのため、簡易に情報収集することができ、さらに、快適に作業を行える環境を整えることは、持続的に森林管理を行うためにも必要不可欠である。そこで、UAVによる森林調査が可能となれば短時間に広範囲の情報の取得や作業効率の向上に活用できるのではないかと考える。さらに、UAVによって簡易取得した計測値が人力による計測値と比較して遜色ないと明らかになれば、素材生産現場への普及の一助になると考える。

  

②八雲演習林および八雲演習林のある八雲町では2016年の台風の被害を受け風倒被害が発生した。風倒木には様々な形状(転倒木、傾斜木、折損木)であるだけでなく風倒木が複雑に絡みある状態(ヤガラ状)等もある。そのため、人力による森林内での被害状況の調査を行うことは二次災害の危険性もあるために非常に危険な作業となる。そのため、森林内に入ることなく被害状況の調査が可能か検討する必要がある。そのため、UAVを活用することで被害地の把握、被害面積の計測、被害林分の早期回復等のための早急な情報収集が可能になると予想される。また、林道等の整備が不十分な奥地の被害把握にも有効であると考える。


冬季間の演習林管理はスノーモービルを使用します
冬季間の演習林管理はスノーモービルを使用します

 演習林調査

 平成28年度より新たに3年間計画で「八雲演習林の動植物並びに森林資源量調査」を開始しました。学部の大型学術助成金に採択され、学科を超えて関係する総勢13名の本学部の研究者(研究代表者:井上)によるプロジェクト研究です。調査対象範囲は実に広く、野生動物、昆虫、樹木、キノコ、鳥類、両生類、魚類相調査をはじめ、演習林のバイオマス資源、CO2 吸収と固定量、崩壊地の土砂移動量に関する調査、間伐作業の効果測定、演習林が地域へ果たす役割など実に幅広なテーマについて調査研究を進めているところです。初年度の研究成果は、本年2月11日に八雲町主催の木育関連イベント会場へポスター掲示にて紹介しました。

 2年目の平成29年度はいよいよ本格的な調査を進めながら、「かがやく八雲演習林」の著書の出版を計画しています。学生の実習テキストとして、また研究成果の紹介、さらには地元八雲町の関係者にも執筆を依頼しているところです。素晴らしい著作になるよう全員で取り組む予定です。発行までしばらくお待ちください。


八雲演習林の風倒木被害調査

八雲演習林の風倒木調査(2017年度の調査)

 

 風倒木の被害は、複雑に折り重なる場合も有り、処理作業となる伐木造材作業を慎重にしなければなりません。したがって、通常の伐木造材作業と作業工程はもちろん異なり、その功程も大きく異なることが予想されます。どの程度異なるのかを調査し、併せて、対象木をどのように有効利用できるのかも検討課題です。木材として利用できるのかできないのか、その判断基準は何か、利用できない木材の取り扱いをどのようにし、有効利用できるのか、コストはどのくらいかかるのか、多くの検討課題があります。一方処理後の林地をどのように再生させるのか、経費の掛かるとされる造林作業を旧来の方法で行うのか、あるいはポット苗作業に移行するのか、その場合の経費がどのように試算され、実際との比較検討なども研究対象となります。被害を受けた大学の演習林は、早期に回復復興させて地域のモデルとなり得る必要があると思います。被害調査を実施し、その結果が判明したら、次はその処理を十分検討し、その結果実行すべき事業計画を練り、遅滞なく事業の遂行につなげる必要があります。これらの計画事業が次のステージへつながる処置を熟考しなければなりません。